回路図のポカミスを見抜け!基板設計中に感じるべき違和感

シールド付き発振子でシールド端子を付け忘れる基板

基板設計中に違和感を感じ、よくよく確認してみたら回路ミスだったということはよくある話です。

この記事では、私が基板設計中に感じた違和感から発見された回路ミスを紹介します。難しい内容はありませんので、今後の基板設計の際には気にしてみてください。

与えられた情報を鵜呑みにしない、どんどんミスを指摘できる一つ上の基板設計者になりましょう。

こんな方におすすめの記事
  • 新米基板設計技術者

未接続パッド

未接続パッドは、回路のポカミスで本当はどこかに接続すべきかもしれません。

特に次のような状況は間違いの可能性が高いです。

放熱パッドが未接続

放熱パッド未接続
放熱パッドが未接続の例
  • 同じ機能の部品でも、パッケージによって放熱パッドが有ったり無かったりする
  • 端子リストに放熱パッドが記載されていないことがある

といったような理由から、回路設計時に見落とされやすいポイントです。

回路設計でミスしやすく、基板設計中に気が付く典型ですね。

対角のパッドが未接続

SOPデバイスで対角パッドがNC
SOPデバイスで対角パッドが未接続の例

オペアンプや汎用ロジックなどの同じ回路が複数入っている部品でありがちなミスです。

1回路ブロック毎に分割して回路記述していって、電源/GND回路ブロックを配置し忘れてしまうのです。電源/GND端子はICの対角のパッドに割り当てられている事が多いので、気にしていましょう。

後半のパッドが未接続

シールド付き発振子でシールド端子を付け忘れる
シールド付き発振子でシールド端子を忘れた例

後半のパッドが連続して未接続になっているのは、部品のピン数を間違えているのかも知れません。

水晶発振子だから2ピンと思い込んでいたけれど、シールド用のパッドが付いていて4ピンの部品だったというようなミスがありがちです。(GNDシールドなどの)+αの機能が追加端子に割り当てられているようなディスク―リート部品は要注意です。

回路ミスだけでなく、フットプリントの割り当て間違いの場合にも遭遇する違和感です。

QFP44の部品にQFP48のフットプリントを割り当ててしまったのを設計完了直前に発見したことがあります。QFPの配線を全部やり直したのは苦い経験です。(ミスを見落とすよりは100倍マシですが)

1ピンしか接続されていない

1ピンしか接続されていないチップ素子
1ピンしか接続されていないチップ素子の例

1ピンしか接続されていない部品は電気的に無意味です。(TPを除く)

基板設計中に見つけたら、理由を回路設計者に確認するようにしましょう。もしミスで無いとしても、何らかの特殊な理由があるはずです。

1つだけDIP部品

1点だけDIP部品
1点だけDIP部品。必要性はあるのか?

SMD部品ばかりの回路になぜかDIP部品が紛れている(もしくはその逆)という状況は、部品の型番を間違えている可能性があります。

回路図には、抵抗やコンデンサの定数しか記載されないので、見落とされがちです。定数自体が間違っていなければ機能的には問題ないので致命的なミスではないですが、気づかずに製造されてしまうとちょっと恥ずかしい見た目の基板が完成します。

周辺素子と比べて部品サイズが異なる

インダクタだけ大きすぎないか
インダクタだけ不自然に大きすぎる例

周辺の部品とサイズが全然違う場合、許容電流/許容損失/容量などのスペックが適切でない可能性があります。違和感を感じたら、面倒臭がらずに部品のスペックを再確認しましょう。

「なんだか大きい」という小並感ですが、馬鹿には出来ません。

名称の似ている電源

5V、+5V、DC5Vのような名称の似ている電源があるようならば、注意が必要です。それらの電源は、正しくは同じネットなのかも知れません。

既存の回路図を流用する時などに起こりがちなミスです。実績がある回路図なので、チェックが十分に行われずに流出してしまうのです。

このミスの特徴として、電源供給源となる回路が存在しない”浮いた”電源ネットが存在するという特徴もあります。

各電源ネットの電源供給源を気にしながら設計することでも間違いに気付けるようになります。

まとめ

基板設計中に以下のような状況に遭遇した場合、回路の設計ミスかもしれません。

  • 未接続パッドがある
  • 1つだけDIP部品になっている
  • 周辺素子と比べて部品サイズが異なる
  • 名称の似ている電源がある

回路図上では見つけにくいけど、基板CAD上では直ぐに気が付くようなミスというものは結構多いです。ここに挙げた項目以外でも、少しでも設計データに違和感を感じたら面倒臭がらずに回路設計者に確認をとるようにしましょう。

仮にそれが回路ミスでなかったとしても、違和感を確認していく作業で技術力はついていくものです。

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