基板設計中に違和感を感じ、よくよく確認してみたら回路ミスだったということはよくある話です。
この記事では、私が基板設計中に感じた違和感から発見された回路ミスを紹介します。難しい内容はありませんので、今後の基板設計の際には気にしてみてください。
与えられた情報を鵜呑みにしない、どんどんミスを指摘できる一つ上の基板設計者になりましょう。
未接続パッド
未接続パッドは、回路のポカミスで本当はどこかに接続すべきかもしれません。
特に次のような状況は間違いの可能性が高いです。
放熱パッドが未接続
- 同じ機能の部品でも、パッケージによって放熱パッドが有ったり無かったりする
- 端子リストに放熱パッドが記載されていないことがある
といったような理由から、回路設計時に見落とされやすいポイントです。
回路設計でミスしやすく、基板設計中に気が付く典型ですね。
対角のパッドが未接続
オペアンプや汎用ロジックなどの同じ回路が複数入っている部品でありがちなミスです。
1回路ブロック毎に分割して回路記述していって、電源/GND回路ブロックを配置し忘れてしまうのです。電源/GND端子はICの対角のパッドに割り当てられている事が多いので、気にしていましょう。
後半のパッドが未接続
後半のパッドが連続して未接続になっているのは、部品のピン数を間違えているのかも知れません。
水晶発振子だから2ピンと思い込んでいたけれど、シールド用のパッドが付いていて4ピンの部品だったというようなミスがありがちです。(GNDシールドなどの)+αの機能が追加端子に割り当てられているようなディスク―リート部品は要注意です。
1ピンしか接続されていない
1ピンしか接続されていない部品は電気的に無意味です。(TPを除く)
基板設計中に見つけたら、理由を回路設計者に確認するようにしましょう。もしミスで無いとしても、何らかの特殊な理由があるはずです。
1つだけDIP部品
SMD部品ばかりの回路になぜかDIP部品が紛れている(もしくはその逆)という状況は、部品の型番を間違えている可能性があります。
回路図には、抵抗やコンデンサの定数しか記載されないので、見落とされがちです。定数自体が間違っていなければ機能的には問題ないので致命的なミスではないですが、気づかずに製造されてしまうとちょっと恥ずかしい見た目の基板が完成します。
周辺素子と比べて部品サイズが異なる
周辺の部品とサイズが全然違う場合、許容電流/許容損失/容量などのスペックが適切でない可能性があります。違和感を感じたら、面倒臭がらずに部品のスペックを再確認しましょう。
「なんだか大きい」という小並感ですが、馬鹿には出来ません。
名称の似ている電源
5V、+5V、DC5Vのような名称の似ている電源があるようならば、注意が必要です。それらの電源は、正しくは同じネットなのかも知れません。
既存の回路図を流用する時などに起こりがちなミスです。実績がある回路図なので、チェックが十分に行われずに流出してしまうのです。
まとめ
基板設計中に以下のような状況に遭遇した場合、回路の設計ミスかもしれません。
- 未接続パッドがある
- 1つだけDIP部品になっている
- 周辺素子と比べて部品サイズが異なる
- 名称の似ている電源がある
回路図上では見つけにくいけど、基板CAD上では直ぐに気が付くようなミスというものは結構多いです。ここに挙げた項目以外でも、少しでも設計データに違和感を感じたら面倒臭がらずに回路設計者に確認をとるようにしましょう。
仮にそれが回路ミスでなかったとしても、違和感を確認していく作業で技術力はついていくものです。
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